教育は「褒める」だけで良い3つの理由とベストなタイミング|合同会社hige
秋になるとすすきの花粉で、くしゅんくしゅんいっている方をちらほら見かけますね。
僕も春先に花粉症を発症するので、つらい気持ちはとても良くわかります。
職場や部活など、さまざまな場面で上司や先輩になったとき、
教育する立場としてどう接するべきか考えることがあります。
よく「褒めて伸ばすのが良い」と聞きますが、
褒めることによる効果はなかなか見えづらいと思います。
今回は研究で検証された「褒めることの効果」をいくつか調べてみました。
褒める効果の実証
MRI画像から確認された褒めることの効果
褒められると脳はどう反応するのか、そんなことを調べた研究を見つけました。
「褒められる」ことは報酬? 脳の"喜ぶ"様子を画像で捕らえた!?
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2008/04/post-36.html
この研究では、脳のMRI画像を取って「他人に褒められる」状況と「お金を得る」状況を比較しています。
結果として上記2つの状況では、脳に似通った反応が見られることがわかりました。
言葉によって褒めるということは、具体的な金銭をともなった報酬と同じ感情的効果を得られるようです。
「褒め」は脳の栄養
褒められることによって快感ホルモンであるドーパミンが放出されます。
褒められたときの嬉しい気持ちはこのドーパミンの放出に関連するそうです。
ドーパミンで得られる気持ち良さは、「次はさらに良い結果をつくろう」という意欲につながっていきます。
褒めることは部下の結果を上げていくうえで重要な役割を担っているのですね。
褒める側にも効果があります。
まず「褒める」という行為自体、脳の働きを活性化させてくれます。
さらに褒めた結果、褒めた相手が成果を上げていくと、
あたかも自分が成果を上げていくのと同じような喜びを感じることができます。
褒めることは、褒められる側だけでなく褒める側にも良い影響を与えてくれるのですね。
リハビリで見られた褒める効果
脳卒中リハビリの分野でも褒めることの効果が確認されています。
「褒められた」患者さんのグループと、
「褒められなかった」患者さんのグループでは、
「褒められた」ほうが歩行スピードの改善が大きかったそうです。
脳は、また同じ快感を味わうため、
自身の構造を変化させます。
リハビリで褒められる
↓
脳の構造が変化&歩行時の神経回路が整う
↓
歩くスピードが上がる
歩行スピードという具体的な結果があると、褒めの効果を実感することができますね。
部下に対するほめ方
ここまで、褒めることの効果が実証された例を見てきました。
それでは、いざ褒めるとなったときに気をつけておきたいところも見ておきましょう。
タイミング
褒めることはタイミングが重要です。
たしかになんの脈絡もなく急に上司から褒められたら、嬉しいというよりも動揺しますよね。
適切なタイミングを知ることが、褒めることの効果を上げてくれるのではないでしょうか。
成功したとき
仕事がうまくいったとき、目標を達成したときは褒める絶好のタイミングです。
おおげさにリアクションをとっておおいに褒めてあげましょう!
成功した喜びを誰かと共有できることはどんな人にとっても嬉しいものです。
落ち込んでいるとき
成功とは逆に失敗してしまったときも、良かった部分を見つけて褒めてあげましょう。
結果として成功や失敗があったとしても、そのプロセスの中には確実に成長しているポイントがあるはずです。
褒めることで部下のモチベーションを回復させることは、教育する立場として目指すべきところなのではないでしょうか。
褒め言葉は短く
長々と褒め言葉を重ねてしまうと、逆に「何か裏があるのではないだろうか?」と勘ぐられてしまうかもしれません。
何気なく「すごいね」「よくやったね」といった言葉をかけてもらうだけでも、とても嬉しいですよね。
以上褒めることについて見てきました。
僕も、上司として「褒める」ことを上手く活用していければ良いなと思います。
参考記事
「褒められる」ことは報酬? 脳の"喜ぶ"様子を画像で捕らえた!?
褒め方を知らないリーダーのための褒め方講座~人を育てる4つのコツ
どういう時にドーパミンが増えるの?ドーパミンの効果と増やす方法